4月某日、ミシガン在住10年の妻子持ちが
その野生ぶりを競う、第1回・デトロイト動物園選手権が開催された。
アナーバー在住12年、妻子持ち歴9年のおっさんは、「これはまさに
私の為の大会じゃないか!」と、早々に参加を決意。
この日の為に過酷な訓練を続けてきた。 大会当日は自衛隊も顔負けの
完全武装で登場し、その存在を観衆にアピール。 おっさんコールの大合唱を
巻き起こした。 他の参加者も、さすがにその厳しい参加基準をクリヤーしているだけに、
海千山千のボーイズが揃っており、壮絶な戦いが予想された。
戦いのゴングが鳴ると参加者は一斉にバトルを開始。 第1ラウンドから激しい
戦いが繰り広げられた。 中でも、優勝候補として注目されていたミシガンの
アニマル浜口こと日系125世のデットロ・イトズ選手が大暴れ。 いつもは
でかい顔をしているワニやトラも、恐怖のあまりとっさに寝たフリをしたという。
試合開始5分後、ほとんどの選手はイトズ選手の餌食となっていた。
これはヤバイと感じたおっさんは、さっそくライオンに変身し、
お客さんに愛想を振りまく。 するとそのとき、イトズ選手が他の選手を見事に蹴散らし
残るはおっさんのみとの情報が入る。 身の危険を感じたおっさんは、イトズ選手の
目を盗んでお土産屋に入り、ぬいぐるみのサルに変身、何食わぬ顔で
ブラブラとぶら下がった。 この時点でイトズ選手の優勝が確定。
かくして第1回大会のチャンピョンが誕生した。 その後、おっさんは
デトロイトの貴婦人に買われていき、その消息は未だ不明だという。
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